禁断の料理『鳥刺』を喰らう【食中毒には御用心】

ついに食ってしまった。鳥刺。それもスーパーで売られているささみを…

結論から言えば鳥刺は美味かった。今、禁断の鳥刺を食べてから13時間が経過したが、特にお腹が痛くなることもなければ、気持ち悪くなることもない。

もしかしたら、運が良かったのかもしれないが、問題がないのだからそれでいいだろう。

そして、今日もたぶん食べるだろう。自らが実験台になり、鳥刺を拡めていきたいと思う。もちろん、自己責任でと言っておく。

鳥刺が食べたいと思ったのは、つい最近のことだ。浅草キッドの玉袋筋太郎さんが自身のYouTubeチャンネルで鳥刺を美味しそうに食べている姿を見てからだ。

その姿を見てからと言うもの鳥刺が気になって気になって仕方がなくなってしまった。

もちろん鳥刺は以前から知っている。しかし、食べようとも思ったこともないし、そんなものを食べるのはキチゲェのがやることだと思っていた。

鶏肉は火を通すこと。そんなのは常識だし、お母さんにもそう言われたし、鶏肉のラベルには「中心部まで十分に加熱してお召し上がりください」と書いてあるではないか。

まともな人間だったら、「そうか。鶏肉は生で食べちゃいけないんだな」って納得する。

鶏肉の生食が何故いけないかと言うと、カンピロバクターが生息しているからだと言われる。カンピロに犯されると激しい腹痛、嘔吐、血便、そして緑色のうんちがでるらしい。

恐ろしい。何より恐ろしいのは緑色のうんちだ。腹痛や嘔吐、血便ならゆるせるが、それだけは絶対に嫌だし恐怖を感じた。緑だぜ?

それからは何とか鳥刺を食べることを思いとどめることができた。やっぱり食べちゃいけないんだって。まともな人間でいたいし。

しかし、そんな気持ちも長くは続かなかった。

自宅近くに行ったことがない焼き鳥屋さんがある。この店は何があるんだろうと思い、Googleで Webサイトを見ていたらその言葉があった。

鳥刺 780円

その言葉に触れた瞬間にまたあの鳥刺を食べたい欲求が復活してしまった。

私自信、何か気になることがあると、なかなか忘れられないクセがある。これは執着と呼んでいいのかもしれない。それが原因で失敗も多くした。普段は行動力がゼロな人間だが、そのスイッチが入ってしまうとダメだ。

そして、気がついたらスーパーに走っていた。

家を出て、階段を駆け降りる。階下の住人に「こんばんは」と挨拶。普段、コミ障みたいな挨拶しかしないのでお兄さんもびっくりしたと思う。

自宅からスーパーまでは徒歩1分から3分だ。その間には信号のない横断歩道がある。市民の民度が低いのでなかなか止まってくれない。だからそれだけの誤差が生じてしまう。

カトパンの旦那が営んでいるスーパーに着くと、まっさきに肉売り場に向かった。いつもはテッチャンの在庫をチェックするのだが、今日はそんなものは目に入らなかった。

目当ては『ささみ』

本当かどうかは知らないが、ささみの方が食中毒の危険性が低いと言われているからだ。

ささみと一緒に買ったのは『生姜』と『ねぎ』

付け合わせたら美味しいだろうということではない。生姜とねぎの殺菌効果を狙ったのだ。これで防げるかは知らん。

今、キッチン台の上にはピンク色をしたささみが置いてある。

そして、ささみを見つめながら、これから犯そうとしている重大な行為について考える。

人生でこんなにもささみと対峙したことはない。気がつけば、ささみに問いかけていた。

「本当に食べていいんですか?」

何分経ったか…やはり食べるのはやめようと思いたった。

なぜなら、リスクが大きすぎる。病院送りになったらどうする?実際に病院送りになった有名人もいる。入院ともなれば貧乏人にはとても払える額ではない。

しかし、気がついたら「ささみ」を捌いていた。丁寧にささみの筋をとり、中心に切り込みをいれる私がいた。

私は負けた。欲に。もし、私が永平寺にいたら即刻破門だろう。

そして、人間と言うのは面白い。

自分がやりたいことに、いろんな意味をつけて肯定しようとする。欲望。どんなにリスクがあることでも、自分の都合のいいように意味付けをしてしまう生き物だ。

リスクがあると言う人が99人いたって、1人が大丈夫と言っていたら、信じてしまう。自分の欲望を満たすように。

私は湯が沸いた鍋にささみを入れた。私が改変した情報によると1分湯がけば大丈夫らしい。

私はその言葉を信じたい。中国が嘘だと言っても。

茹であがりのささみをスライスする。ささみの中心部は対峙したときと変わらず綺麗なピンク色をしている。

私は刻んだ、生姜とねぎをぶっかけて、その上から昆布ポン酢を流しこみ、わさびをこれでもか?とまいてやった。

私は食べた。YouTubeで見つけた参照動画よりもピンク色が多いささみをビビりながら食ってやったぜ。

そして、美味かった。

鳥刺は危険!カンピロバクターは危険!鳥肉には寄生虫が!

これらは、美味いものを食べさせないようにとする、活動家による妨害工作かとさえ思った。実際は本当に危険なんだろう。

しかし、先程も言った通り13時間、今は15時間たった今でも何ともないし、緑色のうんちを拝むことも叶わなかった。

私自身、チャレンジャーな人間ではない。バンジージャンプなんか出来ないし、女の子にセックスしよ?何て言ったこともない。

でも、何だか美味いものを追求する先祖の気持ちは分かった気がする。

日本人ってキチゲェでしょ?寿司だってよく考えれはキチゲェだし、フグだってキチゲェ。

昔はこんなキチゲェがいっぱいいて、美味いものを探してたのかな?

今は日本の民度も上がってキチゲェは少なくなった。平和に暮らせればそれに越したことはない。

だけど、それと比例してつまらん世の中だとも思うな。

鳥刺からこんなに色んなこと考える何て自分でも思わなかった。

やっぱり何でもだけど、自分の常識を越えるものを体験するって大事なんだなと…

80億人が否定しても。「やってみなきゃわかんねぇ?そうだろぅ?」と峯田も言っている。

何でも肯定したがる。それが人間だ。

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